赤沢嘉則|略歴
赤沢嘉則(あかざわよしのり 1971- )
京都市出身 現在京都市在住
美術家
陶芸 日本画 写真を中心として 京都を基点に活動する
日本国内のみならず 世界中の
イタリア スペイン オーストリア チュニジア フランス ラトビアなどの
多くの国で 作品が展示発表され 美術館に収蔵されている
2021年に父である4代赤沢露石の跡を継ぎ、5代目の露石(ろせき)を襲名
5代露石 赤沢嘉則、赤沢露石(5代)としての活動も開始する
写真|畠山崇
CV 2024 (PDF)
「空の思考」の広がり
赤沢嘉則氏は、陶芸・日本画・写真と様々なジャンルを超えて、国内外で活動される美術家です。 交趾で名高い京焼の窯元にお生まれになり、大学で学ばれた日本画や、モザイクの美しさとその素材の交趾との親和性の発見など、様々な要素をもとに制作されてきました。
陶芸家のなかで、大学時代に日本画や彫刻など、陶芸以外の専攻で学ばれる方は多く見受けられますが、家業に就かれた後にその分野の仕事を並行して行う作家は稀有です。 京都は歴史的に見て人や物、文化の出入りが盛んであったためか、業種を超えたり、他業種から転向した名工が活躍していました。 異分野で並行して活動され、また海外への進出も精力的な赤沢氏には、さらに革新的な交趾での表現を期待しております。
本展は、海外の国際公募展において展示された作品の里帰り展です。つまり様々な感性や価値観を持った人々に選ばれた作品が一堂に展示されます。伝統的な交趾の技術と海外で受けたインスピレーションにより生まれた作品、そして、それらを通して感じられる作者と他者、時代の流れや国々の関係などが垣間見えるはずです。その時空を超えた感覚を、彼は「空の思考」と名付け、本展覧会名としました。この展覧会が京焼の革新の一助になることを願っております。
(京都陶磁器会館 学芸員 下村一真)